ディーン・ラムスデン
関係性エネルギー・ヒーリングとチャクラ・コード
チャクラ・コードとは何か?
リレーショナル・エネルギー・ヒーリング(REH)では、10個のチャクラによって人間の成長と進化の段階を示す。そしてこの地図に基づき、人が胎児としての幼い自己から大人としての自己へと成長するにしたがい、それぞれのチャクラがどのように順を追って発達していくかを示す。
この成長を可能にする心理エネルギー構造の主要なパーツは、チャクラのコードである。へその緒は、誕生以前に我々を母親につないでいる。チャクラ・コードは、この母親へのつながりを、へその緒という肉体レベルでのコード(絆)が切られた後も、長く維持させる。
コードはまた母親以外の人々との間にも結ばれる。特定の人々が我々にとって重要な存在になる時、その人々との間に、目に見えないつながりであるチャクラ・コードが築かれる。
ヒーラーの目には、これらのコードは、エネルギーのつながりを送り出したり受け取ったりする透明な繊維のように見える。横から見ると、ちょうどクラゲの触手のようだ。この流れは両方向性であることもあれば(お互いに支え合うような健康な人間関係の場合)、片側がエネルギーを奪われるだけの一方的なものであることもある。
ポップスのラブソングなどは、そうと知らずにこのつながりについてふれている。このつながりは、それが切れた時にもっともはっきりと感じられるのだ。60年代にダイアナ・ロスはこう歌った「あなたはわたしを宙づりにしたまま」。これは一方的で不健康になってしまった恋愛関係を示している。
コードの加齢も、リレーショナル・エネルギー・ヒーリングの考慮点である。年を経たコードはしばしば、未解決の感情やつらい記憶の蓄積で汚れている。それは手入れされなかったり使われない宝石がさびで覆われるのと同じだ。さびたチャクラ・コードは、修復または完了させることがずっと必要なままの古い人間関係に我々を縛り付けることで、生命力を制限する。コードをきれいにすることで、そして自己成長に取り組むことで、我々は過去を手放し、現在へとフルに足を踏み入れ、自分自身のためにより望ましい未来を創造することができるようになる。
コードを切る、もつれたコードをほぐす
ヒーラーによっては、コードを切ることを提唱する人もいる。確かにある種のコードは排除してかまわない(下記に示すジャンク・コードなど)。
しかし他者との間に結ばれたコードの多くは、我々のチャクラ・システムに深く関わり、体の中にまで入り込んでいる。両親へのコードや離婚した配偶者へのコードを切ることは、我々を深い「見捨てられ感」へと投げ込み、現在の感情の痛みをかえって悪化させるかもしれない。
私は、感情の痛みから逃避するためにやたらにコードを切るのではなく、思慮をもってコードの剪定や掃除をし、心理療法などの自己成長の取り組みを行ってコードを感情的に浄化することを勧める。
このやり方をすることでコードはパワーダウンし、チャージを失い、我々に対する影響力をなくすが、我々はなおその関係から自分の人生にもたらされた滋養やレッスンを手元に残すことができる。
ケン・ウィルバーの言葉を借りれば、我々は関係を「超越し、自己に含め」、そして過去は我々の精神的進化の一部となるのだ。我々は人間関係から(それがすでに終わってしまったものであっても)、強さ、慈愛、知恵を引き出すことを学べる。
この取り組みは、すでに亡くなっている相手との間にも可能だ。コードはしばしば、相手が向こう側の世界にわたった後も、長く我々の体につながったまま残るからだ。
もつれたコードはよく見られる。リレーショナル・エネルギー・ヒーラーの最初の仕事は、チャクラ・コードのもつれをほぐし、エネルギーを与えることだ。どのチャクラで作業をするかは、クライアントの持ち込んできたテーマにより示される。
海に浸かった後のぬれた長い髪の毛を指で梳くのを想像してみよう。ヒーラーがもつれたコードをほぐすのも、ちょうどこれに似た作業だ。
もっとも普遍的な5種類のチャクラ・コード
1 ジャンク・コード
これは「ジャンク(ごみ)メール」、つまり「迷惑メール」と同じだ。ジャンク・コードは、誰かがこちらのことを探ったり、何らかの形で支配しようと試みてうまくいかなかった時、低位のチャクラに一時的にひっかけられる。
私がこれをジャンク(ごみ)コードと呼ぶのは、相手がこちらを探るのをやめた後も、このコードはチャクラの表面にひっかけられたまま長く残るからだ。原因不明の疲労感があったり、個人のバウンダリを確立するのに苦労しているクライアントに、しばしば過剰なジャンク・コードが見られる。
古典的な例は、セールスマンや電話セールスが、こちらが買いたくないものを買わせるためにひっかけてくるものだ。その場から立ち去った後も、よく説明できないが、なんだか相手に影響されたような、あるいは侵犯されたような感じが残る。
ジャンク・コードははずすことがもっとも容易なコードだ。それはコードの末端の小さな「釣り針(フック)」で、チャクラの表面に軽くひっかかっている。ヒーラーは自分のエネルギーの手でこのフックをはずし、コードの送り手に送り返すことができる。
2 トランジショナル・コード(一時的コード)
これは、他の人間とのつながりを探る時に、素早くつながれたりはずされたりする「触手」コードだ。これは自分を相手に対して方向付ける働きを持ち、相手から情報を受け取ったり、相手に送ったり、ミーム的な思念体を送るのに相手に集中したりするのを可能にする。
触手コードが触れるのは、相手が客観的でこちらに興味をもっているが、個人的また
は永続的な関係を結ぶことに興味がない場合だ。
我々は皆、道を尋ねたり、劇場でパフォーマンスを見たり、講演を聴く時、これを経験している。それは受動的だが、方向性のある形で他者につながる方法であり、こちらや相手の個人的バウンダリを侵犯しないものだ。
トランジショナル・コードは長く残らないので、はずす必要はない。
しかし、長時間にわたり、あるいは人々から非常な好奇心に満ちた注意が向けられる時、我々のチャクラは過剰にチャージされる。この時、我々は人前であがったり、話すのを恐れたり、恥ずかしく感じたりする。
自己の欠点も含めて他者から「見られる」ことに耐えることを学ぶのは、個人が「力ある人」になるために必須である。これを身につけることで、大切なものを守るために立ち上がったり、意図を言葉にして述べたり、変化を求めることが可能になるからだ。
訳注
「ミーム」という概念についての説明
3 アタッチメント・コード(つながりコード)
相手からの個人的な接触を受け入れたり、こちらから接触を行う場合、アタッチメント・コードが送られる。これはチャクラの内部構造深くに届き、相手との永続的ないし半永続的なつながりを形成する。
この典型的な例は、両親、兄弟姉妹、子供、その他の家族の一員などと結ぶ絆だ。これらのコードはまた、長期的な配偶者やパートナー、また感情的または性的に絆を形成した相手にもつながれる。これらのコードは健康なエネルギーと不健康なエネルギーの両方を相手に送り、また相手から受け取り、意識の多くのレベルで我々に影響を与える。
この例は、転移という心理学的概念にも見られる。
例えば、ある人が自分の仕事に依存していたとしよう。この人は、過去に自分が権威(自分より力ある存在)との間に結んだ依存関係と似た形で、自分の上司にコードをつなぐだろう。
別の例は、ある人が、過去に自分の父親がどんなふうに自分を扱ったかを思い出させるような振る舞いをする男性に会ったとしよう。その人のこの男性に対する態度は、自分の父親に対する未解決の感情で色どられるだろう。成長期に父親と口論したのと同じような形で、相手と自分が口論するのを見るかもしれない。これは、この人が相手の男性に対して「転移」していることを示す。アタッチメント・コードが過去を持ち込むことで、現在の経験を歪めているのだ。
正常に機能していないアタッチメント・コードを癒すには、我々は自己成長のプロセスに取り組まなければならない。習慣的な思い込みや人生のパターンを内省、分析し、不健康な行動に対する替わりの反応を模索するのだ。
アタッチメント・コードはチャクラを通り、スシュムナー管深くに入ることもあり、臓器のまわりに巻き付くことさえあるので、それを取り除くことが必要な場合もある。
これに替るアプローチは、新しい経験をコードに「グラフト(移植)」し、コードを実質的に「再プログラミング」し、その経験を本人にとって、損失ではなく、役立つものとなるように適合させることだ。チャクラコードのグラフトは有毒または不健康なアタッチメント・コードの影響を大幅に減らし、その人間関係を書き換えることも可能になる。
4 ヘリテージ・コード(遺産コード)
我々の肉体が祖先からの遺伝子を受け継いでいるように、我々のチャクラにも、過去の家族の成員から受け継がれた、未解決の、あるいは習慣的な人間関係コードが含まれている。
しばしば我々は、何世代も前にさかのぼる家族の人間関係パターンを、自分自身が繰り返しているのを見る。親である人は、自分が、自分の母親が自分に話しかけたのとそっくりに自分の子供に話しかけているのを聞くかもしれない。
家族の人間関係パターンはヘリテージ・コードに含まれ、人が人生で行う選択に、無意識のレベルで影響する。
これらのパターンに意識的に気付くことで、そしてヘリテージ・コードを再パターン化することで、過去を癒し、新しい形で選択を行い始めることができるようになる。
配偶者との関係が機能不全であったり、家族に共通の同じパターンを繰り返す傾向が自分にある時、また家族の状況によって縛られ支配されるパターンがある時などに、ヘリテージ・コードのヒーリングは有用である。
ヘリテージ・コードのヒーリングは、テクニックとしてはアタッチメント・コードのヒーリングと似ているが、重要な違いがある。それは、関係するパターンが、おそらく、その人の家族と文化のマトリクス(鋳型)に深く結びついているということだ。このため、このコードの修復や再プログラミングはずっと難しい。
しかし、ヘリテージ・コードにゆっくりと継続的に変化を起こし、同時に現在のアタッチメント・コードに取り組むことで、家族に結びついた過去のしがらみをゆるめ、個人が慢性的な家族のパターンを超えるのを可能にすることができる。
5 セルフ・コード(自己コード)
人は他の人間にコードをつないで、関係を模索したり、相手の現実を経験したりする。人はまた自分自身にもコードをつないで、自己の「ウィットネス(観察者)」としての機能を働かせる。これは健康な大人として必須の機能である。
しかし多くの人は、健康なセルフ・コードを育てることを支えてもらってきていない。これは、子育てがあまり健全でない手本に基づいてなされた場合や、アルコール依存症の家庭のように機能不全の家庭で育てられたことなどによる。
共依存的行動は、こういっているのと同じだ。「私は私の現実を、自分が誰であるの感覚(セルフ・コード)を通してではなく、あなたから(人間関係コードを通して)与えてもらう」。事実、このような人は、セルフ・コードの発達が不適切であることで、「自分」よりも「相手」を重視し、一方的な関係をもとうとするかもしれない。
セルフ・コードとの取り組みは、リレーショナル・エネルギー・ヒーリングの重要な要素である。それは自己とのコンタクト能力の回路を強めることで、心理療法的取り組みによる成長を非常に強く支える。
これらのコードは、関係性コードの中から出て、自分自身のチャクラの先端部(通常、チャクラの端)に埋め込まれれているのが観察される。
まとめ
コード・ヒーリングは、クライアントの成長と癒しを助けることができる。これはクライアントとヒーラーが、特定のコードやそれに関係する臓器に保持されたエネルギーの分裂、葛藤、あるいはその他のネガティヴな影響を手放すことで達成される。
リレーショナル・エネルギー・ヒーリングでは、人生を阻害したり否定する問題が解決されると、チャクラの自然な成長が再開されると考える(修復的ヒーリング)。これにより、クライアントの人間関係におけるニーズが、健康な状態にリセットされる。
多くの場合、この結果、クライアントの人間関係が変化し始める。ある関係は、終りを迎えるかもしれない。この新しいパターンは、新しいオプションないし新しいタイプの人間関係を可能にするだろう。
変化と変容とは、個人がより自分自身に力を与え、選択に基づいて生きられるようにと進化していくことだ。リアクション(反動的反応)はリスポンス(応答、感応的反応)に取って代わられ、衝動や中毒的パターンは選択によって取って代わられる。
それによって我々は、自己の人生のゴール、そして魂の憧憬に向かって、よりいっそう成長していく。過去の痛みを手放し、創造的でエキサイティングな現在を全身で受けとめることができるようになる。そして自己の進化が展開していく過程に、意識的に参加するのを学ぶことができるのだ。
Copyright 2006 Dean Ramsden. All Rights Reserved/ディーン・ラムスデンが全版権を所有(翻訳 王由衣)
アストラル界と自己成長
アストラル界についての先入観ほど、アストラル界そのものについての理解を阻むものはない。それは多く、子供の頃から抱いてきたり、映画などのポピュラー・カルチャーにより刷り込まれた恐れや思い込みだ。
アストラル界は、我々が日常生活を営む三次元の物質世界から異なる、いわば第四の時空に存在する。そこには肉体をもたない多くの生命が住んでおり、これらのあるものは、物質世界と関わることを学んでいる。
それを人は「霊」「幽霊」「天使」や「悪魔」などと呼んできた。
人間は過去何千年もの間、アストラル界との接触を求め、探ってきた。
魔術師、魔女、神官、シャーマンなどは、この目に見えない領域と関わる方法を学んだ。
近代のエネルギー・ヒーラーも、クライアントのエネルギー体のエーテル・レベルの構造に付着したりはまりこんだアストラル・レベルの生命や物体に出くわすことがままある。
アストラル界はつねに有害あるいは邪悪な影響であるわけではない。
実際、現時点での私の考えは、アストラル界はつねに物質界と並行して存在し、そして物質界の進化の過程に大きく有益な役割を果たしてきたというものだ。
色々な意味で、アストラル界は物質界の「陽」に対して感覚界の「陰」と言えるかもしれない。
それは受容的で、流動的であり、物質宇宙に組み込まれた、構造のあるバウンダリと自然法則の世界に対比されるものだ。
エネルギー・ヒーラーがアストラル・レベルの現象に遭遇したなら、それをクライアントの発達について理解するための重要な入り口とする道もある。それは人間のパーソナリティ(人格)よりも深いレベルにつながっているからだ。
アストラル的な影響はクライアントを、その魂としてのアイデンティティに、
より明確に結びつける。
人間の本質はエネルギー・レベルの意識的存在であり、肉体の死によって限られず、有機的なエントロピーによって制限されない。肉体としての死は避けられないが、魂は人生のレッスンをすべて吸収し、進化へと向かう。
アストラルの領域は、継続的な魂の発達を邪魔するものではなく、むしろそのために欠かすことのできないパートナーであると私は思う。
アストラル界と取り組むことは、魂の成長を促す力と取り組むことである。アストラル界のエネルギーないし存在と向かい合うことは、短く限られた肉体の寿命が課す制限を打ち破ることにつながるからだ。
直線的な時間の限られた枠組みを繰り返し越えることによって、我々の自己アイデンティティは溶融され、再構築される。そこから「自己の精神は不死なのだ」という現実に深く触れることが可能になる。
アストラル界との予期しない遭遇は、臨死体験のような生命を脅かす出来事、変性意識状態を引き起こすタイプの精神的儀式、あるいは精神的な目的で用いられる向精神性成分(例えばアヤワスカ、ペヨーテ、シロシビンを含むキノコなど)を使用した場合に起こりうる。
しかしより普通には、夢の状態で経験される。それは眠っている状態でも目覚めている状態でも、あるいは眠りと覚醒の間に存在する入眠時の状態のいずれでも可能だ。
それは外部の観察者には、ヒーリング経験の時の変性意識状態と似たものに見える。
エネルギー・ヒーラーは、物質世界、エーテル界、アストラル領域の間の生きた掛け橋として働き、クライアントによるまわりの世界の本質の知覚がシフトするのを支えることで、クライアントが成長するのを手助けすることができる。
このようなシフトが起きる時、古い形の「現実」の視点は薄れていき、新しい、より統合された現実がとって代わる。「現実」の見方が変化する時、「現実」を見る本人自身が変化する。より正確には、より高い精神的な知覚と視点を思い出し始める。
それが起きる時、つまり自己の本質が思い出される時、人生のあらゆるものが変わり始める。人は新しい可能性に目覚め、自分の人生の多くの隠された影響に気づき始める。
この経験によって、人生の観客でいつづける代わりに、自分の人生を自らのものにし、生き始めることができるようになる。ここからすべてが変わるのだ。
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